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「場合の数と確率が苦手です!!」はこれを読めば解決!場合の数と確率の2つの違いとは??

場合の数と確率が苦手な人かどうかのチェックの1問!

場合の数と確率は入試頻出にも関わらず、苦手な人が非常に多い分野です。

さらにまずいことに「なんとなく苦手な感じがする」というような漠然とした不安を口にする人も多いです。
この記事ではそれらの疑問をしっかり解決することができます。

まずはあなたが場合の数と確率が苦手な人かどうかのチェックの一問を解いてみましょう。この一問で本当に判断ができます。
答えを見る前にまずは考えてみてください。そしてその後「必ず答えを確認してください」。では問題です。

【問題1】同じサイコロ2つを同時に投げる
(1)目の出方の総数は何通りか?
(2)ゾロ目の出る確率はいくつか?
さて考えてみましょう。数行下に答えを書きます。

 

 

 

 

 

 

まずこれの(1)を36通りと答えた人は(2)を確認せずとも場合の数と確率が非常に苦手と分かります。(1)の答えは36通りではありません。

(1)と(2)ともに答えは後述するので読み進めてみてください。苦手の原因がしっかりと判明するはずです!

場合の数と確率の2つの違いを考えるための1問!

さて、先ほどの【問題1】の答えの前に【問題1】の本質は変えずにより分かりやすくした問題を以下に出すので再度考えてみましょう。

【問題2】同じ赤玉99個と白玉1個が入った袋がある。ここから玉を1つ取り出す。
(1)取り出し方は何通りか?
(2)白玉を取り出す確率はいくつか?

さてこれはどうでしょうか。まず(1)は100通りではありません。これを100通りと思った場合は先ほどの36通りと同種類のミスになります。

答えですが、どういうことかというと、「赤玉は同じものと書かれているので区別がありません」から、(1)はどの赤玉も区別が出来ないためどれを出しても同じで、答えは赤か白の2通りです。

では(2)の白を取り出す確率が赤か白かの2通りのうちの1つだから $\displaystyle\frac{1}{2}$ なのかというと、これは明らかにおかしいですよね?だって赤は99個もあるので $\displaystyle\frac{1}{2}$ で白を出せるはずがありません。

つまり(2)は問題文では「赤玉は同じものと書かれているので区別がありません」が区別をして数えないとおかしなことになります。(2)の答えは「赤玉も区別をして考える必要があり」、$\displaystyle\frac{1}{100}$ が答えとなります。

【問題1】と【問題2】のポイントはどちらも(1)は場合の数の問題で(2)は確率の問題にしている点です。上記のことから「場合の数と確率ではそもそも同じような数え方をしてはいけない」ということが分かります。

場合の数と確率の2つの違いとは何か??

ここが非常に重要なところですが、先ほどの【問題2】で分かったように「場合の数と確率ではそもそもの数え方が違う」ということが最も重要なことです。

この点をしっかり意識していなかったり理解していない人が非常に多いため、いくら演習を重ねても正解しているときもあれば間違っているときもあるというよく分からない状態になり、その結果場合の数と確率の問題は「漠然とした苦手意識を持つ人が多い」分野になっています。

ということで場合の数と確率の数え方の違いをまとめると
場合の数:区別ができないものは問題文の通り区別をしないまま数える
確率:区別ができないものでも区別をして数える(そうしないと確率としておかしなことになる)

ということです。上記の話は【問題2】を考えれば、そのように数えないとおかしなことになることは明白なので、ただ丸暗記するというよりも「よく考えれば当たり前」と感じることが出来ればより良いです。

これを踏まえて【問題1】を考えると(1)については同じサイコロなので $(1,2)$ と $(2,1)$ などは見分けがつかず区別ができないため、2通りと数えることはできません。その意味で分母の36は多すぎます。

では半分の18通りと思われるかもしれませんが、これは惜しいですが少し違います。というのは $(1,2)$ と $(2,1)$ などは区別がつかないため2で割る必要がありますが、ゾロ目の $(1,1),(2,2),(3,3),(4,4),(5,5),(6,6)$ についてはそもそも1通りずつしかないので2で割る必要はありません。

ということで、最終的な答えは36通りのうちのゾロ目を除いた30通りは2倍多く数えているので2で割り15通り。それに除いてあったゾロ目の6通りを加えて、21通りが【問題1】(1)の正しい答えです。

さて次に【問題2】(2)ですが、これの分母は全部のパターンが21通りだから21で良いかというとこれは違いますね。先ほどの場合の数と確率の数え方の違いを復習してみましょう。

「確率は区別がつかなくても区別をつけないとおかしなことになる」ということだったので、分母は $(1,2)$ と $(2,1)$ などは別物として2通りとしてカウントすることが正しいので分母は36通りです。分子はゾロ目は6通りしかないため答えは $\displaystyle\frac{6}{36}=\frac{1}{6}$ となります。

場合の数と確率を苦手から得意へするために最も重要なこと

さて、場合の数と確率の違いということでいかがでしたでしょうか。
私の指導経験上では高3や浪人生などの受験生を含めても、理解していない人がかなり多いという印象です。

この分野での最も重要なことは先述したように「場合の数と確率の数え方の違いを理解すること」です。

逆に上記を押さえていない状態で、これまで苦手と感じていた人はそれは当たり前のことなのであまり気にすることはないと思います。

数え方の根本的なルールを知らずに演習を繰り返して場合の数確率を得意にしたいということは、野球がどういうスポーツか知らずに体だけ鍛えまくってプロ野球選手を目指している、みたいな状況だと思います。

プロ野球選手になりたければまずは野球のルールを知らないと始まりませんよね。
数学も定義や前提となる本質的な部分を押さえた上ではじめて演習が活きてきます。

これまで苦手だった人もここを押さえた上での演習はこれまでと伸びが格段に違うはずです。
是非、気分新たに場合の数と確率に挑んでみてください!

 

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